唐津神社社報より唐津神祭に関わる記事を抜粋してネット化致します。
唐津神社社報   第99号  平成21年10月1日発行
発行人 戸川 惟継
編集人 戸川 忠俊
印刷所 (有)サゝキ高綱堂
唐津神祭
十月九日(金)
 ◎午後七時 初供日奉告祭

十月二十九日(木)

 ◎午前九時 神輿飾ノ儀
    総行事  一ノ宮 大石町 二ノ宮 紺屋町
 ◎午前十一時 本殿祭

十一月二日(月)

 ◎午後七時三十分 宵曳山曳出
  各町曳山万灯をともして社頭勢揃(午後十時頃〜)

十一月三日(火・祝)

 ◎午前五時 神田獅子舞奉納
 ◎午前九時 発輿祭
 ◎午前九時三十分
       ☆御神幸発輿 (煙火五発合図−市内一巡)
 ◎正午 御旅所祭
 ◎午後三時 還御
       ☆御旅所発輿 (煙火五発合図−曳山は町内へ)

十一月四日(水)

 ◎午前十時三十分 翌日祭
  曳山社頭勢揃の後曳出
 ◎午後二時三十分 米屋町曳出
 ◎午後四時 江川町通曳出
 ◎午後五時頃 曳き納め (曳山展示場へ=煙火五発)

十一月五日(木)

 ◎神輿納ノ儀
   総行事 一ノ宮 魚屋町 二ノ宮 平野町
外玉垣総改築   宮司 戸川惟継

 唐津神社の正面、御神域を示す象徴的なものとして、白い大鳥居と朱色の透き塀(外玉垣)が、目になじんでいらっしゃる方も多いのではないかと存じます。これまでの外玉垣は、その昔昭和十三年の御社殿総改築に合わせて御奉納頂いた、天中軒(初代)雲月氏からの奉建によるものです。それまでは、白壁(築地塀)作りの威厳ある、しかし町々とは少し風通しの良くない外玉垣でしたが、天中軒雲月氏御奉納の、朱の透き塀の完成で、開放的でありながら、しかも神社の尊厳を高める木造・鉄板葺きの屋根付きの見事な朱色の外玉垣が完成しました。
 これにより、神社の景観はもとより氏子の町々との繋がりが大いに開け、堅くなったように思います。その時代の大役者であった、天中軒雲月氏の御奉納については、最高の後援者で養父の又、浪曲師としては、師匠でもある、原田寶山氏の御功績、大なるものがあります。これまでも、今回の総改築にあたっても、御篤志を忘るる事無く留めるべく、最初の柱に両名の御名を記し、御奉賛の御事を表しています。又、時代時代に塗り替え、補修等に御奉賛をお寄せいただいた方々も、その次の柱から年代順にその御名を記し、御奉賛の御事を表しています。
 昭和十三年の新築以来、その後は節目節目の年々を記念し、又、臨時の改修・塗り替え工事などを繰り返して本年まで、神社の尊厳を維持してきましたが、近年損傷が激しく、朽ち木・白蟻・風化などが激しく、唯、屋根上部の鉄板のお陰で、これまで何とか崩落・倒壊を免れて来ていました。これ以上、塗り替えや小修繕では、危険は避けられない程になっていました。このような事で、本年は時恰も天皇陛下御即位二十年という佳き年を記念し、又一年ほど遅ればせながら社殿総改築七十年のお祝いをこめて、総改築する事にいたしました。工事主体は、クリエイトホーム鰍ノ依頼し、くんち前には朱も鮮やかな外玉垣が完成し、長い歴史を甦らせつつ、新しい歴史を刻み始める事になります。
 昭和十三年は、今の社殿が総改築され竣工した年で、この年の前後は、境内地拡張・社殿改築・大広前整備等々の節目の大事業が完了した年のようですが、その後も新社殿に神饌所の増築、境内の植栽などを経て、ようやく昭和十七年に、県社に昇格して一連の大事業が納められました。
 顧みますと、この外玉垣は昭和十三年の創建以来、幾多の風雪に耐え今日まで、社頭の尊厳の象徴として存在感、大なるものがありましたが、記念の年々や、危険箇所については、その都度、補修・小修繕・塗り替え工事などを行い、外玉垣の維持に努めてきました。
 先ず昭和三十年には、御鎮座千二百年祭を記念し、塗り替え・改修を行い、この年は又、それまで瓦葺きの手水舎が台風で倒壊したままでしたので、新手水舎が今のように新築されました。また、境内整備・瑞垣補修などが行われました。昭和四十九年には、元・大越の社長、白井努武氏の御奉納で、総塗り替え・鉄板補修等を施し社頭の景観が一新しました。
 その後、昭和六十年には、御鎮座一二三〇年祭を記念し、大塗り替え・控え杭の補強などを行い、平成二年には、今上陛下御大典記念として大塗り替えと補修を行いました。この時、もはや小修繕・補修・大改修工事をしても、倒壊・崩落の危険大なりと宣告されました。その後は、何とか延命を図りつつ危険を回避しつつ、いつの日かと悩んでおりましたが、ようやく本年、総改築できる運びとなった次第です。
 幼少の頃、この外玉垣の屋根に登ることが出来れば、それなりに一人前の子ども衆になれたような気がしました。そのたびに父宮司から、怒鳴られていました。保利耕輔代議士の御父上、保利茂さんが衆議院議長に御就任になり、唐津へお帰りの際、参拝される事になったその前日、西側の外玉垣は、大型自動車が接触してそのほとんどが倒落(原型を留めたまま)しました。これは一大事、何とかせねばと起重機をお持ちの会社に相談しました所、早速クレーン車が到着して、あれよあれよと言う間に吊り上げて、瞬く間に復旧工事は終了し、晴れてご本人をお迎えする事が出来ました。
 近年は、くんちの時、見参の人達が外玉垣の屋根に乗り曳山曳き納めの見物席にされ、曳山展示場側の外玉垣が崩れかかり、幸い怪我人など無く安堵しましたが、危険な状態を再認識しました。今回の改築では、屋根部分を少し小さくするなど、微力ながら安全対策を進めています。
 新・外玉垣が完成しても、それは旧来からの命をいただいたものとして、昭和十三年からの外玉垣の歴史を大事にして参ります。今年の唐津くんち迄には、伝統を引き継いだ新しい外玉垣の歴史が始まります。御参拝の折りには、お目にお留めいただければ幸いです。

 
 外玉垣工事で、赤透塀を全部撤去した社頭風景(平成21年9月10日)
 《曳山の周年祭》
 唐津曳山第一番「刀町・赤獅子」は、創建(文政二年・一八一九年)以来、今年は、百九十年の佳き年を迎えます。
 このことを記念して、刀町では、来る十月十八日(日曜)に、神社及びふるさと会館アルビノホールで祝賀式典を挙行し、その後祝賀奉曳が計画されています。
 刀町曳山の他、本年は、第十番曳山「平野町・上杉謙信の兜」並びに、「米屋町・酒呑童子と源頼光の兜」が、創建(明治二年・一八六九年)以来、百四十年の佳き年を迎えます。華やかで楽しいくんちになりますよう祈ります。
   ▼行事予定▲
◎くんちは別掲
◆十月
  三日 みのりの茶会
  (社)裏千家淡交会 唐津支部青年部主催
  十八日 刀町曳山創建百九十年祭
◆十一月 七五三祭
  七日〜八日
  十四日〜十五日
  二十一日〜二十三日
  下旬 支部大麻頒布式
◆十二月
  初旬 大麻頒布式
  二十三日 天長祭
  三十一日 除夜祭
   古神札焼納祭
○平成二十二年
◆一月
  元日 歳旦祭
  六日 新年祭
◆二月
  三日 節分祭
  十一日 紀元祭
◆三月
  二十一日 春季皇霊祭
  中旬 神道家祖霊祭
月次祭=毎月一日・十五日
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