唐津神社社報より唐津神祭に関わる記事を抜粋してネット化致します。
唐津神社社報   第70号  平成7年4月1日発行
発行人 戸川 省吾
編集人 戸川 惟継
印刷所 (有)サゝキ高綱堂
◎唐津神社県社昇格に先立ち、社地を拡張し、全面総改築された当時の社殿。
 昭和十四年春竣工(総工責六万円)
 御祭神
一ノ宮 住吉三神
      底筒男命
      中筒男命
      表筒男命
二ノ宮 神田宗次公
 相 殿 水波能女神

 御由緒
◎神功皇后、三韓へ渡海に際し道中安全を住吉三神に祈願奉る。帰朝の後、御神徳の著しきを感じ、松浦の海浜に宝鏡を懸げて、三神の霊を祀り給う。
◎その後、数百年を経て、天平勝宝七年(孝謙天皇の御字・西暦七五五年)時の領主、神田宗次公、一夕神夢を得て海浜に至れば、一筐浮び来る有り。之を採りて開けば一宝鏡なり。之、正しく神功皇后の捧げしものならむと畏みて、帝に奏聞す。其の年、天平勝宝七年九月二十九日に「唐津大明神」の神号を賜ふ。
◎文治二年(一一八六年)、時の領主、神田廣公、社殿を再建し、家祖、神田宗次公の神霊を合祀し、二ノ宮とす。
◎文安六年(一四四九年)領主、波多三河守親公、神田地を寄進し尊崇。
◎慶長七年(一六〇二年)初代唐津城主・寺澤志摩守は、唐津城の築城に際して、現在地に社地を設定して、社殿を新築し領内の守護神として崇敬し、且つ城下の火災鎮護として、水波能女神を相殿として勧請す。
◎その後、代々の各藩主(大久保・松平・土井・水野・小笠原)も、祈願所と定めて、領内の総社として崇敬す。
◎明治六年(一八七三年)、郷社に列し「唐津神社」と改称す。
◎昭和十七年(一九四二年)境内拡張・社殿総改築成りて、縣社に昇格す。
◎昭和二十一年(一九四六年)、法令の改正により宗教法人唐津神社となる。

 御霊験
 御祭神・住吉三神は、祖神・伊邪那岐大神、禊祓給ひし時に生り坐せる神なれば、禍事清祓の霊威あり。
 又、三神は海を司る神として海上安全の霊験がある。水波能女神は火伏の神徳あり。神田宗次公神霊は産土大神であり、唐津の総氏神として諸事霊験を垂れ給ふ。

 御祭礼日
一月一日 歳旦祭
一月六日 新年祭
二月三日 節分祭
五月五日 春季例大祭
七月二十九日 大祓・夏祭
    茅の輪くぐり神事
十月九日 初供日奉告祭
十月二十九日
    唐津神祭本殿祭
十一月二日・三日・四日
    唐津神祭(からつくんち)
十一月九日 新嘗祭
十二月三十一日 除夜祭
奉祝・御鎮座
 壱千弐百四拾年
 年式大祭
春季例大祭

5月5日(金)午前11時30分執行
奉納行事
浦安の舞・曳山勢揃・池坊生花
記念事業
境内社務所新築(平成6年秋竣工)

式年祭を迎えて
宮司 戸 川 省 吾
 本年は、唐津神社御鎮座壱千弐百四拾年の式年の年を迎え、五月五日に式年大祭を斎行するに当り、謹んで御挨拶申し上げます。
 その昔、天平勝宝七年、朝廷から唐津大明神の神号を賜りましてより、壱千弐百四拾年の星霜を経て、今年式年大祭を奉仕出来ますことは、氏子の皆様と共に誠に目出度く謹んでお祝い申し上げます。
 さて、明神様は、この永い歳月の間、この松浦地方の治乱興亡を具さに見そなわせられ、幾世代に亘る産子の生きざまをお護りくださいました霊験は、いやちこに坐し坐して、今日こうして吾々が在ることは、祖孫を貫く神人和楽の一体感が、深く篤い信仰心によって支えられたものであります。
 御鎮座以来、時を経ると共に、政治の形態も変り、中世松浦党支配の時代より、やがて慶長の頃、寺沢公の築城による近世城下町の確立によって、新しい唐津が生まれ、それと共に氏神様を、お城の中心地に鎮祭し唐津藩の総氏神として、鎮座されたものであります。
 これにより、氏神氏子の絆は一層固く結ばれて、今の唐津くんち″に見られるあの姿が、正に祭りの心であります。
 こうして永い歳月を、一貫して奉仕出来ますことは、畏き御神徳に困るものでありまして、尊き神威を畏み奉りつつ、明神様に寄せられた先人の御遺徳を偲びますと共に、氏子皆様方の変わらぬお力添えによるものと一層感銘を深くするものであります。
 今般、この式年大祭を迎えるに当り、記念事業として、境内社務所を新築させていただきました。これは昨年完成し、既に使用しています。これにより社頭の諸事業も一層快適に奉仕できるようになりました。誠に有難うございました。
 ここに、唐津神社の弥栄と、唐津市の発展と氏子皆様の御健勝と御繁栄とを祈念いたしまして、御挨拶といたします。

式年祭をお祝いして
氏子総代 古 川 軫 三
 本年、唐津神社の御鎮座壱千弐百四拾年祭が斎行されますことは、氏子一同の慶びでございます。ここに謹んでお祝い申し上げます。
 明神様は、吾々氏子民の心のふるさとであり、魂のよりどころでもございます。遠い祖先以来、連綿と続く祖孫一体の崇敬心に支えられ、氏子の町々と共に、社頭も発展してまいりました。
 節目節目の年に行われる式年祭は、更に新しい神様の恩頼をいただいて、心と魂が蘇る祭りといわれる祭りです。私共氏子は、この意義深い祭りに出会い、心機一転して、新な心で、郷土の発展に力を尽したいと思います。
 唐津神社の御神威の更なる発揚と、氏子皆様方の御健勝御繁栄を祈念いたしまして、お祝いの御挨拶といたします。

 行事予定
四月
 二十二日 寿社例祭
五月
   五日 春季例大祭
     御鎮座一二四〇年式年大祭
   九日〜十日
      九州各県神社庁連合会神職総会
   二十二日 神社関係者大会(伊万里)
六月
   中旬 総代研修会
七月
  一日 海開式
 二十九日 夏祭
      茅わ輪神事
八月
 三十一日 海閉式
九月
   初旬 合同研修会
◎毎月一日・十五日
        月次祭
 総代異動
木綿町 正田 歳夫 退任
木綿町 力武 定夫 新任
刀 町 辻  庚一 帰幽
北城内 蒲原 一枝 帰幽
北城内 坂本 初野 帰幽
西旗町 田中 三治 帰幽
弓鷹町 山本 貞夫 退任
弓庸町 金子 正巳 新任
富士見町 池田文男 退任
富士見町 森 孝司 新任
西浜町 福島  環 新任

 ◎名誉総代
本 町 平岡 清一 就任
山下町 成村 光好 帰幽
末社・境内社案内
  ◎稲荷神社
 (本町奉斎−火伏稲荷神社と称す)…文化年中、当唐津郷の首町たる本町の、町内安全のため勧請す。この時、蜆貝に乗って着き給ふと伝ふ。火除の霊験あり。明治三十七年、唐津神社境内へ奉遷す。昭和二十六年コンクリート造りの社殿に総改築された。
  ◎稲荷神社
 (呉服町奉斎−白飛稲荷神社と称す)…慶長の頃、京都伏見より呉服町に飛来されたと伝えられ、町内に奉斎す。一時期、平野町木浦山に鎮座ありて、千量院が奉斎していたが、明治三十七年、唐津神社境内へ奉遷され、町内守護神として崇敬が篤い。
  ◎稲荷神社
 (新町奉斎−白玉稲荷神社と称す)…江戸時代末期頃、黒崎坊が町内安全のため奉祀す。その後、町内で奉斎するようになった。昭和五十五年、唐津神社境内に、社殿を新築し奉遷された。
 ※この三社は稲荷の神なれば、衣食住・商売繁昌・農業、漁業振興に特に霊験のある神として、例祭日の旧暦二月の初年祭は盛大である。
  ◎天満宮
 (木綿町奉斎−鳥居天満宮と称する)…天明の頃、唐津の豪商 常安九右衛門が、太宰府天満宮へ、唐金の大鳥居を奉献するに当り、木綿町の鋳造場へ、大願成就の旨祈願すべく、特に太宰府天満宮を勧請したものである。このため鳥居天満宮の称がある。大鳥居は無事奉献された後、木綿町町内と守護神と仰がれ、大正年間に、唐津神社境内に奉遷された。三月・九月に祭礼がある。
  ◎粟島神社
 (中町奉斎−淡島神社とも書く)…もともと中町町内に鎮座あれど、明治末年熊野原神社境内へ奉遷された。其の後、町内しきりに神徳を追慕し、夏越の例祭は、年々怠ることなく町内で執行されているが、昭和三十二年、熊野原とは別に唐津神社へ社殿を新築して、紀伊国名草郡加太浦淡島本社より勧請された。腰より下の、又、婦人の病に霊験あり。
  ◎水天宮
 在唐津の筑後地方出身者や、その子孫等によって、郷土の守護神である久留米水天宮の御分霊を唐津神社境内に勧請したもの。水難防除、安産等に御神徳ありと伝ふ。旧暦四月五日前後に例祭がある。
  ◎二十日恵比須神社
 (刀町奉斎)…江戸時代中期頃、刀町の各家で恵比須講をつくり、毎年宮座を定めて祭礼が執行されていた。その後、町内で祭礼を行っていたが、御神徳の更なる発揚を念じ、昭和五十八年、唐津神社境内に社殿を新築し奉遷された。毎年一月十九日・二十日の例祭は盛大に執り行われている。
  ◎寿社
 少彦名神・国安命を祀る。その昔、松浦の海浜に神亀顕現の瑞祥を寿ぎて、この霊を合祀し、寿社と称するようになった。この神は、蜆貝を好まれるという伝えがある。首より上(頭・目・耳・鼻・咽喉・歯・口等)に霊験がある。例祭日は、旧暦の三月二十三日。

唐津神社氏子総代

  〈第一区〉
本 町  竹本 逸三
 〃   中野 陶痴
呉服町  久保 孝七
八百屋町 赤木  弘
中 町  前田 国房
 〃   古川 軫三
木綿町  力武 定夫
京 町  山口  哲
刀 町  清水  厚
 〃   富田 栄磯
米屋町  平田 正廣
紺屋町  緒方 正男
魚屋町  小井手 巧
平野町  増本  博
 〃   瀬戸 利一
新 町  松本  強
弓鷹町  金子 正巳
高砂町  原田 一翁
〈第二区〉
東城内  吉田 正人
 〃   小田  勉
 〃   山田  稔
 〃   山下 善市
 〃   本村  勝
 〃   田中 謙次
大名小路 宮崎  晃
 〃   馬渡 正典
 〃   松岡伊三治
 〃   岡上 正明
 〃   古館 鴻輔
西城内  久保 英敏
 〃   桑原 末男
 〃   野中 寛治
 〃   吉田  哲
南城内  阿部  晃
南城内  吉田 忠司
 〃   吉田 仁一
 〃   戸田  陲
 〃   鈴木 哲男
 〃   村瀬メグミ
 〃   横山恭次郎
 〃   平松 栄一
北城内  多久島悦次
 〃   皆良田芳子
 〃   成瀬 キク 
 〈第三区〉
坊主町  後藤 利典
 〃   鶴田 英俊
 〃   古賀 柾雄
 〃   田中 松治
 〃   山本 義雄
 〃   草場 治義
 〃   草場 義夫
 〃   田邊  厚
 〃   森本 二郎
山下町一丁目
      久田 邦俊
 〃   吉田 静剛
山下町二丁目
     光岡 重吉
山下町三丁目
     坂田 善継
山下町四丁目
     繁田  進
山下町五丁目
     嶋本 林信
桜馬場  吉田  実
 〃   中山 次雄
 〃   柴田 伸久
西旗町  岩本  壮
元旗町  菊地 義国
西濱町  福島  環
富士見町 森  幸司
南富士見町
     桜井 博美
 〃   仁戸田正治
 〃   才田 安倍 
〈名誉氏子総代〉
北城内  竹尾 彦己
本 町  牟田 岩堆
東城内  中野 英敏
本 町  平岡 清一
(平成七年四月一日現在) 
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