唐津神社社報より唐津神祭に関わる記事を抜粋してネット化致します。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
唐津神社社報 第30号 昭和50年10月1日発行 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
発行人 戸川 健太郎 編集人 戸川 省吾 印刷所 (有)サゝキ高綱堂 |
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御鎮座一千二百二十年式年春季大祭 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
唐津くんち 11月2・3・4日 式年神事大祭 式年の佳き年に迎える 唐 津 神 祭 宮司 戸 川 健太郎 今年は、当神社の御鎮座千二百二十年の佳き年を迎え、春五月五日には式年大祭が盛大に斉行されました。 今度は、秋のくんちを迎えるわけですが、このまつりこそが、御鎮座の由縁につながるいわば本まつりとも言うべきまつりでございます。 では、その唐津くんちの由来や、その有様を昔風の語り口で綴ってみましょう。 唐 津 神 祭 天平の往昔、唐津大明神と詔命を賜りし旧暦九月二十九日を古来例祭日と定め神幸祭札を行い来りしが大正二年時勢の推移に鑑み、又其筋より奨めにも従い陽暦に直し、十月二十九日と改め唐津供日と称して唐津人には親しみ深く定着し来りしも近時世情繁多となりこの一大祭礼行事を月末の平日に行うは市民経済運営に支障あり、又道路交通上より、更には児童生徒の参加のこと等ありて、五十年間親しみ来りし十月二十九日を廃して、この由緒深き旧の九月二十九日に最も近き祝日たる十一月三日を選定し昭和四十三年より例祭日と改正。即ち、二日宵祭、三日神幸祭、四日翌日祭とす。これによりて賽者頗る増加せり、尚十月二十九日には本殿祭並に神輿飾の儀を行う。 さて、松浦の海浜に三神を祀りし処西ノ浜御旅所にして、只今明神台と称す。由緒深きこの時処を忘れず二基の神輿はこの御旅所に渡御す。その壮観なること今も昔も変りなく愈々盛大なりと言うべし。 この神幸は、他に類例なき氏子十四ケ町より成れる曳山、神輿の前後を奉護随伴せるものにして先づ先祓の刀町中町なる青丹一対の獅子頭を初め材木町の浦島に亀、又呉服町の九郎判官義経、木綿町の武田信玄、諏訪法性上杉謙信は平野町さては米屋町の頼光酒天童子、以上夫々の兜、それに魚屋町の鯛、大石町江川町なる鳳凰丸七宝丸、竜頭げき首の船、新町の飛竜、更には本町京町の金獅子、玉取獅子、さては水主町の鯱鉾に至るまで総て十四台悉く漆塗にして金銀青丹或は精巧なる彫刻を施したるあり、或は珠玉を鏤めたるあり、午前九時発輿、行列中は秋天の陽光に相映じ燦爛目を奪うものあり、かくて沿道に堵列せる拝観者の益々多きを加う中を曳子若者等は各町揃いの法被姿の装い雄々しく「せりばやし」と称する鼓笛の囃子に連れてオイサオイサの掛声勇しく精気溌剌として駈り行けど然も列を乱さず順を違えず氏子町中を一巡し、やがて正午西ノ浜御旅所前に勢揃せんとする瞬時は壮観を呈する高調の頂点にして其囃子の音律自ら活気漲り曳子の精気悉く曳山に憑り曳山の霊気又曳子に射映し曳山か曳子か、曳子か曳山か暉然融合して一幅の絵巻物の活画を展開せる中に神輿はこの御旅所に着御となり御顕現あらせられし西海の沖ッ辺をお望みなされこの壮観なる光景を見召しっゝ厳かに御旅所祭を執行すれば拝観の群衆をして感激せしむるに余りあり。 尚此の日は唐津地方年中の神恩奉謝の日なれば俗に唐津供日と称し、曳山勢いの後はこの白砂に各町幔幕を張りて一重一瓢を携えお籠りをなす外、氏子各戸に酒肴を用意して曳子はもとより知る知らざるの別なく外来の賽者又拝観者に饗応すれば遠近の来集極めて多く、興行物露店等社頭に雲集し神人和楽の殷賑を呈すること九州諸祭礼中屈指のものたるは世既に定評あり。 尚この曳山は漉の紙を、渋を加えたる蕨糊にて何枚も何枚も貼り固めたるものを更に漆塗にしたるものにて、所謂一閑張りとしては実に大きく美しくそして強く世にも珍らしきものなり。 高さ一丈六尺、重さ五千斤、文政天保の頃より明治九年迄の製作にして当時各町千三百両を増せり。と。 本年は、恰も御鎮座一千二百二十年式年を迎え、しかも、二日三日は連休、加えて新幹線の博多開通で当日は空前の人出を見るものならん。 式年祭記念木を奉納 御鎮座千二百二十年式年祭を記念して、社団法人唐津観光協会、唐津まつり振興会より、見事な松の樹二本を神木として奉納された。 氏子総代表彰 当神社氏子総代の中次の諸氏は、就任以来二十年の永きに亘り奉仕せられたので、去る五月五日式年祭の佳き日に宮司より表彰状と記念品を贈りその功を表彰した。 魚屋町 吉田 至氏 山下町 渡辺 吉作氏 大名小路 石田安智賀氏 弓鷹町 尾島 繁一氏 山下町 戸川 鉄氏 富士見町 荻野 朝陽氏 平田常治氏が拡声器を奉納 唐津神社責任役員平田常治氏は今般、祭典時等に使用する拡声器一式を奉納されました。 今までこの種の設備がなく、大祭奉仕の折等不便をかこっていたが、今後は大いに活川させていたゞきます。
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氏子総代異動 山下町 高田重男氏退任 〃 大平秀司氏就任 名誉総代永江金之助氏帰幽 |