唐津神社社報より唐津神祭に関わる記事を抜粋してネット化致します。

唐津神社社報   第14号  昭和42年 4月1日発行
発行人 戸川 健太郎
編集人 戸川 省吾
印刷所 (有)サゝキ高綱堂

五 月 五 日 午前十時
献 幣 使 参 向
五穀豊穣
産業繁栄
祈願
唐津神社春祭
名物曳山社頭勢揃
奉納生花池ノ坊唐津支部
奉納演芸 氏子有志



今までの祭日行事
 従来神宮大麻暦及当唐津神社大麻の頒布式は十一月九日の新嘗祭と併せ行っていたが、近く神宮でも式年遷宮察を執行されるので、神宮尊崇の建前よりも又初穂料改定のこともあって、これを独立の祭日として去る十二月十一日午前十一時より氏子総代多数参列して宮司祝詞を奏し頒布の儀を行い、玉串を奉りて拝礼の後、宮司趣旨の説明、禰宜より改定の意義を説き一同頒布向上に力を致す決意を固めて散解した。
 尚初穂料改定により頒布数の減が予想されたが、其の心配も無用にて例年の数に達した。これ偏えに氏子総代初め関係者一同の努力の賜なりと大いに感謝されている。
 十一月十五日には七五三のお宮詣りに社頭は賑わい十二月十七日には社務所前広場にて先覚者慰霊祭が行われ、今度は古賀義一郎及安住安太郎の両先覚が追祀された。
 大晦の大祓、古神札焼納祭、除夜祭を終わり昭和四十一年を過ごし、昭和四十二年午前零時、庭火の燃え盛る中に太鼓を打鳴らして年の初めを告ぐれば、参詣者一度にどっと門松をくぐって押寄せて参拝、昭和四十二年を寿ぎ奉った。
 午前一時頃から雨となって暖かく、午前五時元旦祭を行い、夜が明けても終日雨であったが、厄除、商売繁昌、交通安全等を祈り、今年の多幸を寿ぐ人々の後を絶たなかった。かくて正月七日間は市内各官公署、事業所、会社等では諸公職業の繁栄と事業安全とを祈願する団体参拝頗る多く、社頭盛況であった。
 一月十一日佐賀県神社庁にて恒例の総会が開かれ、その中で当社白井、平岡、野田、浜本、平岡、松尾、牧原、平田の各総代及戸川省吾禰宜がそれぞれ表彰された。
 一月二十三日戸川名誉宮司は明けて八十八歳となり氏子総代より米寿のお祝いを賜わり、大いに感謝感激した次第である
 二月三日は節分祭を行ない年男多数参加して、今年は霙降りしきる中を元気に撒豆して悪気を退散させた。
 二月十一日は待望の建国記念の日の国家の祝日として制定されたる第一回のお祭で、境内整備成り、新調の国旗掲揚台に日の丸の飜る中に市長を始め諸団体相集まり、樋口敬七郎会長法制化報告を行い、宮司祝詞を奏し、市長を始め来賓の祝辞あり、君ケ代、紀元節の歌も高らかに歌い上げて式を閉じ、直ちに市内行進に移り、日の丸の小旗を打振りつつ市内行進を終って社務所にて直会即ち神酒を頂いて建国の昔を偲びつつ時局を談じ、大いに気勢を挙げ第一回建国祭を終ったのである。
 二月二十二日には当総代と唐津神祭神事神輿奉昇団体神田区代表と談じて唐津神祭神事に関し種々意見の交換を行いしも俄に結論に至ることを得ず、他日再び話し合うことを約して別れた。尚当日の話合いを文書にして神田区に申入れることとした。
 三月十七日氏子総代会を開き、当社昭和四十二年度予算を審議して之を承認し次いで春祭のこと、又前記神田神幸奉昇のこと等を協議して、之より研修会に移った。
 三月十九日は初午祭である。これは唐津地方の慣習にて二月の初の午の日に行なう稲荷祭である。当唐津神社境内白飛稲荷杜(呉服町奉斎)火伏稲荷杜(本町奉斎)にても盛大に初午祭を行って来たが、今年も運気増進、商売繁昌、大漁満足、交通安全等を乞願う参詣人頗る多く、これ等参詣人にお守りお供え物等を授くる外、福引等も催して大いに賑わった。
 三月二十一日の春分の日には神道家春の祖霊祭に神職出向した。
 三月二十五日には境内社鳥居天満宮(木綿町奉齋)の春祭を行い、時節柄入学期に際し学業神菅公の神徳を偲んだ。


これからの祭日行事
 四月二十九日は唐津神社の春祭で、佐賀県神社庁から献幣使が参向になり、総代、来賓多数列席して今年の豊穣を祈り、併せて諸職業の繁栄を祈り、大御代の栄を寿ぎ、又歌舞音楽を奏でて神を慰め奉るのであるが、今年は久方振りに市及商工会議所又観光協会等に於て、五月三、四、五日の三日間「春のお城祭り」が催うされる由で、これと同時にて唐津神社の春祭を盛大に行なわんと計画されている。
 このお城祭りの前日の五月二日は旧暦の三月二十三日に当り、此の日は境内杜寿杜の例祭である。首から上の病を直し給う。そして蜆貝を好み給うので目、耳、鼻、口頭首、咽喉等の病に苦しむ人々の蜆貝を献じて参詣が絶えない。五月二日には関係参列して盛大にお祭を執行する。
 五月十三日は旧の四月五日に当り、此の日も境内社の水天宮のお祭りである。在唐津人会の人々により盛大なお祭りが行なわれる。
 この頃佐賀県内の神社関係者大会が開かる。
 七月二十五日はこれも境内杜粟島神社夏越祭で、中町にお出ましになり、町内に仮設舞台をかけて大演芸会を催うして行なわれる。
 七月二十九日は唐津神社夏祭で、大祓いに形代茅輪くぐりの行事あり。九月二十四日は秋分の日で神道家祖霊祭。 十月九日初供日、二十五日神輿飾りで、総行事は本町、呉服町が受持ちである。
 十月二十九日は唐津神祭で、今年は日曜日とあって大盛況が予想される。