唐津神社社報より唐津神祭に関わる記事を抜粋してネット化致します。
唐津神社社報   第12号  昭和41年4月1日発行
発行人 戸川 健太郎
編集人 戸川 省吾
印刷所 (有)サゝキ高綱堂
四月二十九日 午前十時
    献 幣 使 参 向
五穀豊穣
産業繁栄
祈願
唐津神社春祭
 名物曳山社頭勢揃
 奉納生花池ノ坊唐津支部
 奉納演芸 氏子有志

唐津城天主閣と稲荷神社
 唐津市では舞鶴城天主台跡に五層の天主閣を建設すべく目下着々工事が進んでいるが、この天主閣のすぐ下、中段の西の奥に、年ふりた簡素な御社殿が見えるこのお宮は稲荷神社であって、慶長の昔、初代寺沢志摩守が築城後、慶長十五年にこの舞鶴城の鬼門よけ(きもんよけ)の守護神として祀ったものである。
 鬼門とは東北の隅を言うもので、陰陽道で鬼の出入りする方角として、忌み嫌うもので、その厄難を免がれるため、その守護神としてお祀りしたのがこの稲荷神社である。
 寺沢公以来、歴代の各藩主も厚く崇敬し、祭事怠ることなく行われて来たのである。
 現在の御社殿は、小笠原公時代に出来たもので、屋根の瓦には三階菱の定紋がついており、又向拝口の飾り柱にも同じ定紋が彫刻してあり、奉納された幟には当時の職名や人名等が書かれているなど、藩政時代の藩に関する建築物が非常に少い現状では、まことに貴重な存在といわねばならない。
 ましてや、今度天主閣の完成をみれば、その鎮祭の意義も一層深くなるものとなるわけである。

氏子総代会開催
予算その他を審議

 去る三月二十三日午後二時より、社務所に於て、氏子総代会を開き、左記の事項を審議決定した。

○昭和四十一年度社費予算 別項のような予算を決定した。この予算で、氏子奉納金が従来の春秋一戸当り六〇円が八〇円に増額されることになった。

○神饌所屋根葺替工事その他につき寄附金募集の件 拝殿の左側の別棟の建物が神饌所で、昭和十七年に新築されたものだが、桧皮葺きのため、衰損が甚しく雨漏りを見る有様で、今回銅板を以って葺き替えんとするもの。これに要する経費は六十万円とすること。
 又本殿と拝殿との接続個所け吹き放ちにて風雨のさらすまゝであるため、こゝに壁を作り、併せて本殿内の調度を調える工事、その他透塀補修等に要する経費を二十万円とすること。

○春祭執行の件
 四月二十九日春祭執行につき、飾曳山奉納、余興等につき、委員として牧原総代等数名を委嘱すること。

○宮司引退の件
 戸川顕官司は老齢のため引退することゝなり、後任に戸川健太郎禰宜を宮司に後任禰宜には戸川省吾権禰宜を推薦することとする。
 尚これを祝って装束一揃を夫々贈ることにする。

○神社前道路に側溝設置を陳情すること。
 神社前道路は降雨時は氾濫し歩行困難となるため、当局に水路溝の設置を陳情することゝする。