唐津神社社報より唐津神祭に関わる記事を抜粋してネット化致します。
唐津神社社報   第109号  平成26年10月1日発行
発行人 戸川 忠俊
編集人 戸川 健士
印刷所 (有)サゝキ高綱堂
 祝「鳳凰丸保存修復事業完工」

 大石町六番曳山「鳳凰丸」は昨年十一月より修復工事が行われていたが、この度、工事が完工し、十月十二日に保存修復事業落成記念式典開催の運びとなった。九月十三、十四日の両日に今月九日に増築部が完成したばかりの西の門館曳山修理庫で組み立て作業が行われた。修理庫は今後見学スペースなどを整備し来年一月に全体の工事が終わる予定。
 今回、鳳凰丸の修復にあたっては、明治期に描かれた「唐津神祭行列図」を参考にしながら、胸元には青や緑色の漆が塗られ、制作当時の姿を彷彿とさせる仕上がりとなった。十月十二日のお披露目は朝七時半より当神社でお祓い、記念撮影の後、九時頃より大石町町内へお披露目巡行が行われる。また正午よりアルピノホールで落成記念式典が開催予定されている。
 


唐津曳山取締会
防犯パトロール実施

 去る平成二十五年七月十二日、唐津駅周辺、唐津市役所周辺で唐津曳山取締会及び唐津警察署、唐津市教育委員会との三者合同パトロールが実施された。
 昨年、この三者間が連携し夜間防犯パトロールの取り組みが始まったもので、この一斉パトロールは夏休み前の時期に非行や犯罪を防止する目的で約二百五十名の参加者が集まり、市中心部を巡回した。
 唐津曳山取締会は唐津くんちで培われた強固な組織力や人間関係を生かし、地域の安全や青少年の非行抑止に繋がると評価され、唐津警察署より協力を求められ、去年より参加している。
 今後も十四力町が交代で夜間のパトロールを実施する予定。
 

 拝殿・本殿
漏電工事並びに電灯器具交換工事
 昨年より拝殿内の電灯が原因不明により切れたり、配線の管が錆び付いたりして非常に危険な状態にありましたので今回、電気配線取替・電灯器具交換工事を施工して戴きました。
 拝殿正面の柱には新しく提灯二灯が献灯され社頭の雰囲気が変わりました。
 また殿内には、柱掛電灯が新たに十四灯設置され、暖かみのある殿内照明となりました。電球のほとんどが発光ダイオード(LED)となり省電力の他、紫外線が出ない事などから虫もあまり寄りつかないなどのメリットがあります。
 今回工事は、電気設備工事を東島電気工事蒲l、提灯傘木工事をクリエイトホーム蒲lに施工戴きました。



唐津神社オリジナル
「御朱印帳」頒布開始
 近年、唐津観光で当社を参拝される方々から「御朱印帳」をお求めの声が多数寄せられ、この度、当社で唐津くんちの曳山行列図を織り込んだ御朱印帳(下写莫)を作製致しました。今年六月より頒布致しております。
  初穂料一冊一二〇〇円
   (朱印込一五〇〇円)

 御朱印とは本来、参拝者が写経をお寺に納めた際にいただく印でしたが、いつの頃からか納経しなくても参拝のあかしとして頂けるようになりました。これがやがて神社にも広がり、今では多くの寺社で頂けるようになっております。
 
《氏子総代異動》

坊主町 原口 洋亮 退任

南富士見町
    緒方 正人 新任




唐津神祭
十月九日(木)
 ◎午後七時 初供日奉告祭

十月二十九日(水)

 ◎午前九時 神輿飾ノ儀
    総行事  一ノ宮 木綿町 二ノ宮 材木町
 ◎午前十一時 本殿祭

十一月二日(日)

 ◎午後七時三十分 宵曳山曳出
  各町曳山万灯をともして社頭勢揃(午後十時頃〜)

十一月三日(月・祝)

 ◎午前五時 神田獅子舞奉納
 ◎午前九時 発輿祭
 ◎午前九時三十分
       ☆御神幸発輿 (煙火五発合図−市内一巡)
 ◎正午 御旅所祭
 ◎午後三時 還御
       ☆御旅所発輿 (煙火五発合図−曳山は町内へ)

十一月四日(火)

 ◎午前十時 翌日祭  曳山社頭勢揃の後曳出
 ◎午後二時三十分 米屋町曳出
 ◎午後四時 江川町通曳出
 ◎午後五時頃 曳き納め (曳山展示場へ=煙火五発)

十一月五日(水)

 ◎神輿納ノ儀
   総行事 一ノ宮 京町 二ノ宮 刀町

 雨と唐津くんちの記録
 平成二十五年十一月三日シトシトと雨の降る中、午前八時から唐津曳山取締会の本部会議が開催され、御旅所神幸について話し合いが行われる。中止と決行の議論が行われる中、同時刻より刀町の赤獅子に取り付けられる御幣をお祓いする「御幣清祓式」が行われるため、宮司は会議冒頭にて「唐津神祭の本義は御旅所にて執り行う御旅所祭である」ということ、更に「唐津神社の神輿はどんなに雨が降ろうとも、大手口まで出座し、直ちに神社に戻り、神社拝殿にて御旅所祭を執り行う」旨を伝え、祭典奉仕に神社へ戻る。御幣清祓式終了後、代理で会議に出席していた禰宜より「御旅所神幸は決行」「曳山は雨天カバーを着用して巡行」「曳山は市民会館前には並ばず、展示場より出発」の旨伝え聞き、神輿の出発に向けての準備を行う。

 平成十三年の雨の唐津くんちでは、雨に濡れた神輿が著しく痛んだため、神輿共揃・総行司の代表と合議し、神輿の上にある鳳凰の飾りを取り外し、カバーを掛けた状態で神幸を行うことを決定。九時より発輿祭を執り行い、唐津神社の神様に神輿の出発を報告する。
 九時半、御旅所巡行出発の火矢が上がり、刀町より神事行列が動き始める。神様をお守りする役目として神輿台車に座ると、袴を通して雨水がしみこみ、円座(藁でできた座布団)はグッショリと湿っていることが解る。祭典用の大傘をさし、待機する。目の前を材木町が通過。しかし、二の宮の出発準備が整わず、材木町が大手口角を曲がって見えなくなっても出発できない。雨天時の神輿に付属する御道具類の持ち出しについて混乱する。




 予定より大幅に遅れて神輿は出発。道行きには雨にも関わらず大勢の観光客が見えるが、材木町は未だ見えず、結局、神輿が材木町に追いついたのは、宮島醤油付近のヘアピンカーブを曲がった辺り。外町地区より内町に入り、アルビノ前、中町を通過。大手口から市役所前大通りに出る。未だ雨は止まず。

 再び大手口から江川町方面へ出て、御旅所に向かう道行きに入る。早稲田佐賀の寮がある付近にて曳山本部より「御旅所は雨でぬかるんでいるため、通常の引き込みは行わない。神輿は旧大成小学校の校門より入り、舗装された道路を通って、明神台へ」と、伝達あり。その旨、神輿共揃を務める神田地区の方々に伝えると「神輿は、御旅所正面から入るのが本義」とのこと。ぬかるみの中、御神輿は明神台へ進む。神輿を明神台へ設置後、直ちに御旅所祭を斎行。通常は正座で行う行事を、起立して行う。曳山は、南側を向き、半円状に御旅所に引き込まれる。

 御旅所祭終了後、曳山本部より今後の予定について、「通例行われる明神台での曳山取締会正式参拝終了後、十五時引き出しの時間を繰り上げ、直ちに引き出し。その後、江川町での休憩を省略して神事を続ける」と連絡在り。通常、曳山は火矢の合図で出発するので、花火師の方と事前に予定を確認して依頼しているが、緊急事態につき、携帯電話で連絡を取り合い、火矢をあげる時間を調整する。



 曳山が御旅所に半円状に引き込まれているため、御神輿は旧大成小学校の通学路より御旅所を出る事になるが、神輿台車の幅が道幅ギリギリになるため、横転事故を警戒しつつ、進む。
 末だ雨の降り続く中、御神輿は御旅所より産業道路を通り、直接神社へ帰る案も出されたが「唐津神祭において、唐津神社の神輿は町々を神幸するのが本義」という事で、江川町を神幸し、大手口から参道に入り唐津神社へ戻る。

社頭講話
人生儀礼 〜結婚式〜
禰宜 戸川健士

 人は一生のうちに、数多くの祝い事を重ねていきます。日本、とくに神社界ではこれを、「人生儀礼」といい、古来より生きていく上での一つのけじめであると考えられてきました。
 今回はその中でも「結婚式」を取り上げてみたいと思います。結婚式とは、男女が婚姻を確認する為の儀式であり、宗教により様々な様式があるが、神社で行われるものは「神前結婚式」と呼ばれる。文字通り神様の前で夫婦の契りを交わす儀式であり、人生儀礼の中でも最大の慶事であります。
 神代の昔、伊邪那岐(イザナギ)・伊邪那美(イザナミ)の二柱の神様は「天の御柱」を廻って結ばれました。天の御柱は神霊の宿る木でありますから、二柱の神様は言わば神前結婚式をなさった訳です。今のように神社で神前結婚式を挙げるようになったのは明治以後です。それまでは、各家庭の床の間に、高砂の尉(じょう)と姥(うば)の掛軸や、あるいは御神名の書かれた掛け軸を下げ、その前に松に鶴亀の置物を飾った島台(しまだい)を置き、その神前で三三九度の盃が交わされていました。
 そして明治三十三年五月十日、皇室婚嫁令により、皇太子嘉仁親王殿下(後の大正天皇)と九条節子様(貞明皇后)が宮中賢所大前において婚儀を行われました。翌年、この婚儀に基づき定められた神前結婚式の次第が一般でも初めて日比谷大明神(硯東京大神宮)で行われ、全国各地に普及するようになりました。
 こうしてみると、神社での結婚式は明治時代に新たに創設された儀礼に受け取られる事がありますが、以前に各家庭で行われてきた伝統的儀礼の形を参考としているのが分かります。家庭から神社に式場が移っても変わることはありません。
 よって、現在の神前結婚式は古来の家庭における婚儀の形や諸礼家の作法を集大成し、我が国の伝統的な考え方を継承したものということができます。
 


曳山十四力町   親睦スポーツ大会
 去る五月二十五日、唐津市文化体育館にて「第三十一回唐津神社旗争奪唐津曳山十四力町親睦スポーツ大会」が当番町呉服町様により開催され、今回はミニバレー大会が行われました。
大会成績は次の通り。

優勝 大石町
二位 米屋町
三位 京 町

 
 

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