「飛龍」塗り替え完成
  色鮮やかに市民に披露
 唐津くんちを前に、二十九年ぶり総塗り替えが終わった七番山の新町「飛龍」の唐津神社報告祭と披露が十八日行われた。
 「飛龍」は弘化三年(一八四六年)の製作。今回が五回目。
 曳山会館から引き出された「飛龍」は唐津神社大鳥居の前に置かれ午前十時半から神社本殿に中山末一町内会長、中山稔曳山本部取締、高崎耕一新町正取締、鶴田粒一同副取締ら関係者が参列、戸川省吾宮司により神事が行われた。
 このあとピカピカの「飛龍」の前に勢ぞろいして記念撮影。終わって曳山ばやしで一足早く”くんち気分”を漂わせ、新町まで曳き手百人の「エンヤ、エンヤ」で帰った。
 塗り替えは福岡市の仏具店で二月一日から始まり九月二十七日に完成した。今回は目玉を楕円にして鋭さを増したのが特長。
 また午後三時から同市東城内の城内間で開かれた祝賀会には野副市長、保利美萌夫人、村山健吾市議会議長、脇山山英治名誉総取締ら来賓と中山末一町内会長ら町関係者、瀬戸利一総取締以下曳山関係者が出席した。
 中山町内会長、保利美萌夫人、野副市長、瀬戸総取締らがあいさつ。
 また唐津焼の中里太郎右衛門氏に名誉町民の称号が贈られた。
 これは中里家九代の中里守衛重広、弟の重造政之の二人によって初めて「飛龍」か弘化三年九月に製作されたことによるもの。
 このあと村山議長、脇山名誉総取締、戸川省吾唐津神社宮司、中山町内会長によって鏡割があった。
 同じ割内の花祐会主宰.花柳三祐師匠の祝舞が披露また町内の青年たちが趣向をこらした十四台の”人間曳山”のアトラクションが好評だった。

 

昭和62年10月19日 唐津新聞