ピッカピカに「上杉謙信の兜」
  54年ぶり総塗り替え
 工費六百五十万円をかけ四月から総塗り替え作業に入っていた平野町の十番ヤマ 「上杉謙信の兜」の総仕上げが三日、唐津神社横の曳山会館広場で行われた。
 同曳山は明治二年作、昭和三年に総塗り替えをしていらい五十四年ぶりのお化粧直し。昭和三十五年に中塗り替えをしているが、このとき、原型が少し変わったものもあったが、今回元に戻され、錏(しころ=かぶとの鉢の左右から後方に垂れて頭を覆うもので革、または鉄札でつづる)も短くなり、前垂れも昔どおりになった。
 総仕上げに立ち会った正取締役佐々木登己夫さんは「今後の巡行は上杉謙信が白覆面であったことから、曳山も顔だけを出して白布で兜はすっぽり覆う。これは夜露などによる損傷を防ぐことにもよる」と語っている。
 なお総塗替え落成式は九日朝、唐津神社前で行われるが、ちょうど当日は唐津線高架の出発式が行われるため、唐津駅に近い平野町への曳山竣工披露巡行は、この祝賀をこめた形になると、関係者は語っている。
 なお同曳山は昨年三月、アメリカ・ディズニーランドの日本祭に参加した。
昭和57年10月4日 唐津新聞