57年ぶり5番「鯛山」修復
 750万円掛て 
色鮮やかに生き返る
 唐津市魚屋町が二月から大修復を行っていた唐津曳山「鯛山」は、このほどその作業を終わり、十八日午前十時から唐津神社で戸川省吾宮司によっておはらいを受けた。
 このあと同神社前で紅白のもちまきが行われ、ハッビ姿の町民たちが笛太鼓と「エンヤ、エンヤ」の掛け声で鯛山を引いて約一キロ離れた町内に帰り、町民たちにすっかり新しくなった姿が披露された。地元商店街では生まれ変わった鯛山をみて「景気回復のシンボル」とエビス顔。
 今回の大修理は大正十三年につぎ五十七年ぶりに行われたもので費用は七百五十万円だった。
 この鯛山は弘化二年(一八四五)の製作で、百三十六年になる。五十四年二月にはフランス・ニースのカーニバルに初の海外遠征をしたり昭和三十四年に塗り替えだけをしている。
 午後一時半から唐津市文化会館で「鯛山修復落成記念祝賀会」が開かれ、中里敬一魚屋町町内会長が地元を代表してあいさつ、古藤県教育長(知事代理)、市丸市助役(市長代理)、脇山唐津曳山総取締、田中市議会副議長(議長代理)がそれぞれ祝辞を述べ、中里町内会長から塗り師の宮口鍛さん(六五)らに感謝状か贈られ、中野副総取締の音頭で乾杯して祝宴に入った。

 
昭和56年10月19日 唐津新聞