ミニ曳山が大臣賞 民芸品店の野口さん 八年間の苦労の成果ですと、市内大石町の唐津民芸店社長野口喜光代さん(五〇)は、このほど開かれた第二十回全国推奨観光土産品審査会に出品した「唐津曳山土人形ミニ山セット」が運輸大臣賞に決まり、来年一月二十二日東京で開かれる表彰式を前に、入賞の吉報に野口さんを始め製作関係者らと喜こんでいる。 .野口さんは四十八年に同店と看板屋を同町に開業し以前から考えていた唐津の代表である曳山の特色を生かした土産品づくりに取り組んだという。 今回の受賞のきっかけは「唐津曳山土人形ミニ山セット」に全国観光土産品連盟からの推奨認定をうけるのが望みで出品したのが思いがけない結果になった。 このミニセットは、唐津を代表する「からつくんち」の十四台の曳山(ヤマ)をモデルに、一台ー台の特色とイメージを生かし、民芸品としての素朴さを出すため丸みをおぴた形を、野口さん独自の考案で作りあげたという。同セットは十四台一組となっておリ、高さ約五センチのミニ曳山で、素焼きした原型に泥絵の具で彩色し、一つ一つ手作業で造りあげられている。 同セットは、現在唐津市内の旅館、ホテル、曳山展示場などで販売されているが、観光客らに手ごろで持ち運びがいいとなかなか好評で人気を集めている。野口さんは、今回の受賞は「唐津のみなさんのおかげです」と語り、今後はもっと大勢の人たちに喜ばれるように多量生産できるように、製作従業員をふやし本格的に取り組みたいと意欲をもやしていた。 唐津新聞 昭和54年12月22日 |