まるでミニくんち 曳山、無地展示場へ

 唐津ッ子の心意気をこめる曳山を唐津神社横に新築された曳山展示館に無事おさめる渡坐(わたまし)祭が十八日盛大に行なわれた。この日十四台の曳山は十年間住みなれた商工会議所前の合同格納庫に別れをつげて一たんそれぞれの町内に帰り年後二時再び市役所前駅前通りに集結して神社前に勢揃いした。展示館前で渡坐祭が厳修され瀬戸市長脇山曳山総取締会長ら関係者が玉串を捧げて曳山の安泰を祈って瀬戸市長が正面入口のテープに鋏を入れた。花田繁治曳山顧問の音頭で万才を三唱して式を閉じると杜前に待機した曳山は一斉に祝いの餅まきおよそ二千人の市民や観光客の拍手をあびながら一番山の赤獅子(刀町)を先頭にかけ声も勇しく展示館入りがはじまり、七宝丸(江川町)を最後に約三十分で全曳山がめでたく館内におさまって展示された。式後曳山町内は神社境内で菰被りの樽をあけて野宴を聞きおくんちが近まる曳山のよもやま話に花を咲かせた。
 曳山は町内の永い山小屋時代を経て昭和三十五年市が商工会議所前につくった合同格納庫に移転して十年目に斬展示館に入り時代のフットライトを浴びながら内外観光客の目を楽しませ、唐津人の心のふるさととして保存されることになった。


曳山展示館に売店 観光協会が常設

 唐津市観光協会は来月一日から開館する曳山展示館内に協会直営の売店を常設するが曳山にちなんだ民芸品やみやげ物など委託をうけて販売する。
 また同協会と曳山取締会では館内に展示する曳山関係の古資料品や文献を展示するため所有者の協力を求めている。

15枚の唐津完成
カラー絵はがき一万組


 唐津市観光協会が曳山展示館、文化会館の開館記念に発注していた大型サイズの曳山カラー絵ハガキ一万部ができ上った。十五枚組で赤獅子など十四番山と宵山まで別々に撮ったものはこれがはじめてで書信欄には今年の六月西日本観光ルート協議会が募集した当選ペットネームの「松並みグリーンロード」の標語を朱字で印刷した。観光協会や虎店、案内所、商工会議所で一組二百円で販売しているがバラ売りもする。発信切手は一枚の場合十五円、一組セットは四十五円。
 昭和45年10月14日 唐津新聞