米屋町曳山の落成奉告祭
 
唐津神祭ちかづく 
 塗り替えて面目を一新

 唐津市米屋町曳山〃酒呑童子と頼光の兜〃の塗り替え改装落成式は、今二十三日午前十一時から城内西唐津神社々頭で挙行、式は戸川同神社宮司による修祓にはじまり、引きつづき同神社拝殿における落成奉告祭に移り、米屋町側から塗り替え改装委員長古舘正右衛門氏、平田常治同駐在員、曳山取締りはじめ、同曳山曳子(区民代表)、来賓として金子市長、殿川市議会副議長、花田繁二曳山総取締り、馬渡商工会議所副会頭、金子勝商観光協会長、曳山本部取締りなど参列、戸川宮司の祝詞に次いで古舘委員長ほか米屋町代表、金子市長ほか来賓代表の玉串奉奠で奉告祭を開ぢ、おわって同社頭における落成式に移り、式は平田駐在員の開式の辞にはじまり、同曳山の塗師一色健太郎と車台製作者持永車両製作所両氏に感謝状ならびに記念品をおくり、おわつて金子市長 殿川市議長代理、花田総取締り、馬渡副会頭らの祝辞があり一色氏の謝辞を最後に、記念撮影ののち彰敬館で祝賀会をひらき盛大であった。
 米屋町の曳山〃酒呑童子と頼光の兜〃は昔から、唐津曳山十四台中異色ある郷土芸術品として知られているもので、現在は十一番曳山。佐賀県文化財中の逸品で、この日古舘委員長、金子市長はじめ殿川、花田、馬渡ら賓氏からこの落成により、近づく唐津神祭に一異彩を副え、現在将来における観光資源として唐津市発展にもたらす期待が強調された。
 
 
 
 おくんち前奏曲
神祭衣裳に懸命


 唐津神祭まであと五日、唐津市内の商店街の神祭前大売り出しは今がたけなわ。今年は史上最大の豊作とあって、農家の財布のひもがゆるんだのか売れ行きも上々。この好景気を反映して神祭前に衣装を新調する人も多く、市内の各洋裁店は仕立の注文が殺到し、連日連夜山と積まれた注文を期日までに納品せねばと徹夜作業の連続である。三百余年の伝説を誇る唐津ツ子の勇壮華麗な山笠引きに応えて、おめかしをしたいのも人情、されば「三月倒れ」の異名もまたむべなるかなというところ。
昭和39年10月23日 唐津新聞