「エンヤ」「ヨイサ」最高潮 唐津くんち 

 唐津市の唐津くんち(唐津神社秋季例大祭は2日目となる3日、砂地にめり込む曳山を全力で曳く勇壮な「曳き込み」と「曳き出し」で最高潮を迎えた。晴天に恵まれ、旧城下町は大勢の人たちでにぎわった。
 l祭りは2日の宵曳山で開幕。コロナ禍を経て昨年に続き、通常開催となった。
 3日の御旅所神幸では午前9時半、1番曳山「赤獅子」が唐津神社前を出発。
各町の曳山が合流して市中心部を巡行し、正午から「西の浜御旅所」で全14台が順次、砂地に入った。
 2〜3トンほどもある曳山の車輪は砂に埋まり、各町の曳き子たちは「エンヤ、エンヤ」「ヨイサ、ヨイサ」の掛け声をあげながら、渾身の力で曳いて所定の位置に並べた。
 高知県から帰省して4年ぶりに12番曳山「珠取獅子」の巡行に参加した医師の吉冨誠さん(68)は、郷里の友人や先輩たちとの再会を喜び、「小学校に上がる前から祭りに出ていたので、法被を着るとシャキッとします。唐津っ子にとって、くんちは盆や正月よりも大事なんですよ」と語った。
 唐津曳山取締会によると、2日の人出は17万人で前年の2万人増、3日は前年と阿じ16万人だった。
 最終日の4日は翌日祭。午前10時に14台が唐津神社を出発し、午後0時半から米屋町通りに勢ぞろいする。午後4時40分ごろからJR唐津駅近くの曳山展示場に納められ、祭りは終わる。   (神谷裕司)



 

令和5年11月4日 朝日新聞