みんなで考えたい           唐津新聞 昭和43年2月8日の記事 
 唐津神祭の期日変更
  はじめに
去年、わが唐津青年会議所(JC)は唐津市への提言とも云うべき社会開発計画を発表した。われわれのいう「社会開発」という言葉は耳あたらしいことではない。如何にすれば我々の郷土をより明るく、より豊かに出来るかというごくあたりまえの問題である。けれどもこの提起した問題は、今なお未解決の部分が多く、又唐津青年会議所により展開された「社会開発Jをめぐる論議は非常に広はんな影響を与えた。しかし我々が現代社会に目を向けるとき、この間題を無視して進むわけにはいかない。疾患に苦しみのたうつ巨人、現代社会の症状を的確に診断したものである。未来を展望するためにも、社会開発計画の下した診断を振り返ってみる必要があろう。
 以下一つ一つ問題点を提起して、市民みんなで考え、我々の住む郷土をどうすればより明るく、健康的な豊かな社会に出来るかを考察したい。
 唐津神祭の期日変更

 神祭の期日変更という問題は事新しい問題ではなくこれまで何度も議論されてきたものであるが、今一度ここで取上げ市民各位の批判を乞いたい。

11月初めの休日に

 まず第一にお祭りはみんなが楽しめる時期でなければいけないということである。次にどうせやるなら出来るだけ多くの人達に見て貰いたいということである。
 第三に神祭を唐津市の商店街め発展と結びつけるべきだということである。
 これ等のことを考えた場合、十月の月末のウイークデーという現在のお供日の日取りは相当無理をしているのではなかろうか。
 これが十一月初旬の休日の時期ならば月末のお供日という慌ただしい時期から解放され、ゆったりした気分でお祭りムードが一段と盛り上るのではなかろうか。又休日が一日必ず入るので他地方からの見物客、観光客も当然多くなり、従ってこれ等観光客の市周辺に落すカネもかなりな額になるだろうし、商店街もそれを吸収する様努力するようになるだろう。
 又、仮に商売上の利益が僅少であるにしても、この唐津市の貴重な、そして主要な文化財であり誇りでもある山笠を出来るだけ多くの人達に紹介し、見て貰うということは唐津市民の義務でさえあると思う。
 勿論現在の期日も神事に則ったものであり、長い伝統に支えられたものであるだけに変え難いという気持は唐津市民なら当然誰もが抱いているだろうが、大唐津への飛躍のため国際観光都市−唐津への発展の人柱となることに躊躇すべきでないと思う。