みんなで考えたい           唐津新聞 昭和43年2月10日の記事 
 曳山会館の実現を望む   〜唐津青年会議所〜

 曳山会館の必要性はこれまでにも幾度か云われてきたことだが、今一度こゝに列拳してみよう。まず第一に観光資源としての効果である。現在の格納庫では観光客に不完全な状態で見せている訳で、山笠のあのきらびやかな姿を想像することは無理である。
 第二に、今の状態では観光客が訪れるたびに、格納庫から山笠を引き出さねばならず、又その都度飾り付けをしなければならない。
 それが面倒だから格納庫のレヤツター開けただけで、お茶をにごしているのが現状である。これでは折角唐津にやってきた観光客に対し礼を失しているのではないだろうか。やはり立派な山陳列館に正装した十四台の山笠を並べ、更にお供日の模様をカラーフィルムで見せて、いつでもお供日のムードが楽しめる程度のサービスが不可欠ではないだろうか。
 第三に曳山陳列館からは当然入場料が入ってくるだろうから、その収入で山笠の修理その他飾り付けなども出来るし、山笠を持っている町内だけに可成りな維持費を強いてきたこれまでのアンバランスも解消出来るし、十分な修理 塗り替えをすることにより、先祖伝来受け継いできたこの貴重で高価な唐津のシンボルを長く/\保存出来ると思う。
 この曳山会館も市当局で漸く予算的裏付けも出来、用地の問題を残すのみとのことで、今一息というところまでこぎつけている。 もっとも用地の問題は最近の公共事業の例でも分る通り、必すといってよい程問題になる点で、それだけに非常にやっかいな問題点である。
 しかし、曳山会館は唐津神社からあまり離れていない処という前提条件があるので、もし候補地に指定された土地の所有主は色々な困難な事情があろうとも唐津市のために大局的見地に立っての協力がのぞましい。
一日も早く立派な曳山会館の実現をのぞみたい。