魚屋町西ノ木屋の八代目山内小兵衛均安蔵六が 本町の絵師富野淇園に描かせ、明治十六年に完成 した「唐津神祭絵図襖絵」は、十代目均敬の時、 大正時代に京町の山本表具店で掛け軸に仕立てた。 今でこそ町外のものが大勢ヤマを曳いているが、 当時はあくまでも町民の祭りで、鯛ヤマの上の二の門 のお屋敷にはお供日を恨めしそうに眺めるお姫様まで 描かせ、城内に対して町人の心意気を現している。 鯛ヤマの下には当時の大町年寄の蔵六本人と、 平田屋草場三右衛門、綿屋小島新兵衛を描いている。