赤獅子創建200年・陛下即位祝い奉曳
曳山14台11万人魅了
 唐津市

 唐津くんちの1番曳山「赤獅子」(刀町)の創建200年と天皇陛下即位を祝う「祝賀奉曳」が5日、唐津市で行われた。14台
の曳山と曳き子約3千人が秋のくんちさながらに、勇壮に旧城下町を練り歩いた。大型連休の終盤で好天にも恵まれ、沿道には人垣ができ、唐津曳山取締会によると、11万人が見物した。

 奉曳は、例年11月4日に実施される「町廻り」と同じ約8`のコース。出発前の市民会館前広場では、取締会の大塚康泰総取締の発声で、伊勢神宮や皇居がある東を向いて万歳三唱があり、赤獅子から餅まきも行われた。
 正午の合図で赤獅子を先頭に出発し、曳き子たちは「エンヤ、エンヤ」「ヨイサ、ヨイサ」の掛け声で、威勢よく町を練り歩いた。夕刻にはすべての曳山が巡行を終えた。
 巡行後に市内で開かれた赤獅子200年記念祭祝賀記念式典で辻幸徳実行委員長は「曳山行事は貴重な文化遺産。誇りを持ち、次世代へと引き継ぐよう精進を重ねる」とあいさつした。  (成富禎倫)

 唐津っ子「令和」走る
 祝賀奉曳
  創建200年の祝い餅 

 唐津くんち1番曳山「赤獅子」の創建200年と新天皇即位を祝した5日の特別巡行「奉曳(ほうびき)」。曳山を持つ14力町の中には、新元号「令和」や国旗を掲げた町も。
見物人からは「お祝いの心意気を感じる」の声が聞かれ、沿道は祝賀ムードに包まれた。春の日差しにきらめく、曳山と曳き子をカメラで捉えた。(撮影・米倉義房、山口源責)


 
 創建200年の祝い餅

1番曳山「赤獅子」の創建200年を祝う餅まきで、手を伸ばす大勢の見物人=唐津市の唐津神社前


長法被も新しく
新調された長法被を身にまとい、巡行する1番曳山「赤獅子」の男衆。背中に赤獅子が大きく描かれたデザインがひときわ眼を引く

先人に思いはせ墓参り

 ○…200年前に刀町の赤獅子を造ったとされる石崎嘉兵衛。唐津市十人町の法蓮寺にある石崎家の墓で5日、刀町の曳き子らが奉曳を前に参拝した。新調した長法被を着て、曳山の歴史をつくった先人に思いをはせた。同家の子孫で、同町の曳き子でもある石崎裕務さん(49)=佐賀市=も合掌。「赤獅子は今も町で愛され続けていることを伝えようと手を合わせた。これからも唐津と唐津くんちが永く栄えてくれれば」と話した。    (藤本拓希)
 

令和元年5月6日 佐賀新聞