唐津小学校百年史
第一 校章を讃える
国旗は国を象徴し、家は家絞をこよなく尊ぶ。我ら唐津小学校に育ち、巣立った同窓生は、校章を矜持と愛情をもって仰ぎ、且つ尊び、我らの心の故里として親しみ、讃える。
唐津尋常高等小学校の時創設された校章は、「唐」の一字であった。その後、旧藩主小笠原家の家紋の三階菱で「唐」の外区を飾った校章となった。これは輝く伝統と、燃える気迫と、溢れる行動力を三階菱に託して表現され、ここに降り積った光輝ある歴史と、尊い生命が唐津小学校の校章に凝縮している姿である。この校章を母体として誕生し、ダイビングボードとして明日へ大きく飛躍しつつあるのが、大成小学校と志道小学校の紅顔ながらも毅然たる新生の二小学校の校章である。
玄海の怒涛と潮風を子守唄として育った松浦健児が、その生命として誇る虹の松原の三枚の松の葉を、「智育、徳育、体育」の教育根本理念の三つの柱になぞらえ、母体の三階菱から迸り(ほとばし)出るごとく象ったのが志道小学校の校章である。
又、開校宣言の日の学級数二十四を記念して、二十四の円で象り、菊花の如く清く、美しく繋ぎ合わせ 「以和為貴」を最高の理想として、平和と団結を誓い、教育理念の智徳体を母体の三階菱で現して、その中に大成小学校の成長を期待したのが大成小学校の校章である。
まことに、この三つの校章は母親より子供に、先輩より後輩にと受け継がれて、その中に籠る意気と熱意は生き生きと感じられて、こよなく頼もしい。正に尊厳にして独特な唐津小学校と大成・志道両小学校の顔である。唐津尋常高等小学校の懐から羽搏き巣立ち、独立独歩の巨歩を踏み出した両小学校は、永遠の未来に新しい歴史と輝かしい伝統を創造すべく暴風にも、雷撃にも、また苛烈な太陽の直射にも、耐えて生き抜く気迫に満ち溢れて、遮ぎる雲も突き破り、世界に通ずる洋々たる大洋に希望と抱負を満帆に孕ませて船出せんとする勇姿が望見されて心強く感ずる。
ここに伝統に輝き、新生の気迫に燃え、新しき歴史の道を踏み画かんとする志道と大成の二校章を力強く、高く揚げ、唐津小学校創立百周年を期に更に新たな飛躍の巨歩を二百年と言わず、千年、いな永遠に歩み続け、大きな未来の夢へ力強くレールを敷設されんことを熱望し、この光り輝く三校章を弥やが上にも讃えてやまないのである。!
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